【DOG】人目線でシャンプーを考えていませんか?

2回前からワンちゃんの皮膚、シャンプーの話を書いてまいりました。

読んでくださった皆さま、わんちゃんがこんなに皮膚が弱いんだ~ということを実感いただいたかと思います。


さて、突然ですがこんな風に感じたことありませんか?


「デリケートな愛犬のために、肌にやさしいタイプのシャンプーも選んだし、これで安心! あ~、シャンプーするととってもいい香りがする♪ この香りめっちゃ癒される~!」

!!ここにちょっとした落とし穴が!


ということで、とある研究のご紹介。「イヌに対してリラックスするラベンダーオイルの量の検討した」ものです。


この実験は、イヌに対してラベンダーのアロマエッセンシャルオイルを使用したとき半分の量と1/3量でどのような変化があるかを検討したものです。なぜ通常量は実験していなかったかというと、ヒトでは過剰な濃度の香りは不快感を感じ、ストレスの原因になるとされています。さらに、イヌはヒトより嗅覚が優れているので、ヒトの通常量では間違いなくイヌにとって不快でストレスであろうということから減量しての研究がなされました。


また、別の研究からラベンダーはイヌに対して休息を与えて、吠えが少なくなるということが分かっています。


そのため、イヌもリラックス効果があるとわかっているラベンダーオイルで、リラックスできる量はどのくらいかを検討した研究になります。


結論を言うと、半分の量の時にはパンティング(体温調節のためにハアハア言うこと)が減り、伏臥位(お腹を床につけて寝る姿勢)や丸くなって寝る時間が多かったということでした。


あくまでもこれはラベンダーオイルでの実験ですので、通常のシャンプーに入っている香料では犬がどう感じるかは証明されていません。


しかし、犬のシャンプ―で人間でもかなり強くいい香りがすると感じるものは、犬にとってはたして良いものかどうか・・少し考える必要がありそうですね。


私もトリミングサロンから帰ってきた愛犬はふわっとかなり強めのいい匂いがします。

私自身は心地よくても、ストレスの原因にもなる強いにおいとしばらく付き合わなければいけない愛犬にとっては不快な日々なのかもしれませんね・・・


ぜひ愛犬の立場に立ってシャンプーを考えてあげてくださいね。


参考文献

Response of dogs to inhalation exposure of lavender essential oil Animal Behaviourand Management,50(4): 153−161,2014

GrahalnL, Wells DL , and Hepper PG 2005.The influence of olfactory stimulation on the behaviour of dogs housed i皿 a rescue shelter.Applied Animai Behaviour Science 91 143−153,

薬剤師が解説★犬や猫の健康で快適な暮らしを願う研究ブログ

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●一般社団法人日本アニマルウェルネス協会認定 ホリスティックケア・カウンセラー

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